住宅雑誌「チルチンびと」70号-火のある家にはいい時間がある

「火のある家にはいい時間がある」

車窓に広がる田園風景から一転、高い樹々の合間を縫うように車を走らせると、煙突をもつ小さな木の家が見えてくる。木工作家の岩崎久子さんが長年住んでいた関西を離れ、八ヶ岳の麓・原村にアトリエ兼住宅を構えたのは今年1月のことだ。 近年、Iターンによる移住者が増えて来ているというこの原村。湿度が少なく夏も涼しい気候は、木工で扱う材の乾燥にうってつけだが、冬期は零下20℃にも及ぶという想像を絶する寒さである。「本当に暮らしていけるのかと迷ったことも」と語る岩崎さん。しかし豊かな環境で創作に打ち込みたいという思いに加え、この地の知人の後押しもあって移住を決意。設計は、「素直に木を使いながら、空間が端正で」とかねてより憧れていた、建築家の横内敏人さんに依頼した。 当然、設計で重視したのも防寒対策。自ら薪をくべ、火を楽しむ横内さん。これまで設計した住宅の多くに火を取り入れているが、どちらかと言えば暖炉が中心だった(40頁参照)。

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